おほもと Oomoto

脳死問題Q&A

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与えられた命―大切に 「脳死・臓器移植」反対し続けています

平成9年10月16日、国民的合意のないまま「臓器移植法」が施行されました。生前に臓器提供の意思を表示していた人の「脳死」が判定で確認されると「移植手術」が行われています。

しかし、本当に本人が意思表示をしていたのかどうか疑問が残ったり、脳死判定の時期や方法が問題だったり、「家族の同意」を必要とするのに、家族内の意見が分かれていたり、レシピエントの順番に不公平が指摘されたり、さまざまな疑義が残されています。

さらに“「脳死」と判定された状態は、生体同様の反応ができなくなっているだけで、脳の部分的な死とみるべきだ”という指摘も、医学界には根強くあります。

従来から、わたくしたちは「脳死」は本当の死ではないと、主張しています。「肉体から霊魂が離脱したときをもって死とする」「霊魂が肉体から離脱するのは、完全に心臓が停止した時」との教えに基づいてのことです。

今後も、わたしたちは「脳死・臓器移植」に反対し、広く世に訴え続けます。

人類愛善会・生命倫理問題対策会議



Q1. 平成9年10月16日に施行された「臓器移植法」とは、どんな法律ですか。

A1.本人が生前に、脳死判定にしたがい臓器提供の意思を書面(ドナーカード等)で表示していて、かつ家族の同意があるとき、脳死の段階でその人の臓器を第三者にの移植用として摘出することができるという法律です。
 今までは、心停止をもって死としていましたが、この法律が施行された現在、従来の死(三徴候死)とは別に、「脳死」という新しい死が生まれることになりました。したがって私たちは、二つの死のどちらかを自らの意思に従って、選ばないといけないのです。↑質問項目へ

Q2. よく脳死という言葉を聞きますが、よく分かりません。簡単に教えてください。

A2.まず「脳死」という言葉ですが、まだこの言葉が生まれてから30年くらいしかたっていません。それ以前には、「脳死」という言葉はありませんでした。しかし心臓、肝臓などの移植が行われるようになって、それまでなかった「脳死」という考え方が生まれました。
 脳死とは、脳(大脳・小脳・脳幹)のすべての機能が外から検出できなくなり、その機能が絶対に元に戻ることがないと思われる状態を言います。ふつう何日か脳死の状態が続くと、心停止に至ります。しかし「脳死」と言われている患者さんの体にはまだ体温があり、血液も流れ、脳以外の臓器も正常に働いています。↑質問項目へ

Q3. 脳死の母親が出産したという話を聞きましたが、ほんとうですか。

A3.ほんとうです。世界各国で出産の報告はされています。アメリカで106日の脳死状態が続き出産したという事例も紹介されています(テレビ・NHKスペシャル)。また日本でも脳死と診断された母親が、自力で元気な赤ちゃんを出産し、その子供は元気に成長しています。もし脳死が本当に死だとするなら、これら脳死状態からの出産は、死体から新しい生命が誕生したことになります。出産の事実だけをみても、脳死が「人の死でない」ということは、はっきりと分かります。決して死体から赤ちゃんは生まれてきません。↑質問項目へ

Q4. 脳死の判定はどうやって行うのですか。

A4.脳死判定基準(「竹内基準」とも呼ばれます)というものがあり、それにしたがって判定が行われます。判定を満たすために以下の5項目の確認が行われます。
 1、深い昏睡
 2、瞳孔散大の固定
 3、脳幹反射の消失
 4、平坦な脳波
 5、自発呼吸の消失
 この5項目を満たすかどうか検査(1回目)を二人以上の医師(臓器摘出を行う医師、またその臓器を使い第三者に移植を行う医師は除く)が行った後、6時間後同じ検査(2回目)を行い、再度確認された場合「脳死」と判定されます。
 しかし実際には、この基準ができたのは1985年(昭和60年)であり、それから更に医療は進歩しており、この5項目だけでは、完全な脳死判定がなされているとは言えないとの指摘が専門家の中にも数多くあります。また判定開始時間は、現場の医師にまかされるので、死亡時刻を調整することも可能です。これにより様々な問題が発生することが考えられます。
(例・生前脳死判定を受けることを承諾していた父と息子が交通事故に遭遇し、同時に脳死状態になった場合、どちらの死亡判定を先にするかによって、息子の配偶者の遺産相続の権利の有無が決まる等)↑質問項目へ

Q5. なぜ法律を作ってまで、脳死を人の死と定めないといけないのでしょうか。

A5.なぜ「脳死」という考え方が必要になったのかというと、それは心臓や肝臓などを臓器移植のために、新鮮な生きた状態で人の体から取り出すためです。でも、生きた人から臓器を取り出すことはできません。もし、それをしたら殺人罪になってしまいます。
 そのために、人の脳が完全に機能しなくなった状態つまり「脳死」と呼ばれる状態をもって、「人の死」であると法律で定めたわけです。そうすれば移植医が殺人罪で訴えられることもなく、まだ動いている新鮮な心臓や肝臓などを移植のため、合法的に取り出すことができるからです。↑質問項目へ

Q6. 「脳死」を死とすることに反対の声もたくさんあると聞いています。なぜですか。

A6.それは、Q-5でお答えしたように、「脳死」が臓器移植のために人間の都合で考えだされた死であり、従来の「心停止による死」のようにだれもが納得できるものではないからです。医学的に見ても、循環(心臓を中心とした血流を司る機能)の停止を死とする考え方が今なお強く、脳の機能停止だけをもって死とすることに多くの専門家も疑問を呈しています。実際に、新聞・テレビなどによる各種アンケート調査をみても、半数近くの人が脳死を人の死とすることに抵抗を持っています。
 ほとんどの医師が脳死を認めているような発言を聞くことがありますが、積極的に脳死・臓器移植をすすめているのは「移植学会」をはじめとする、一部の団体です。医師の中には臓器移植に対し「絶対に容認できない」という立場をとっている人たちも数多くいることを知っていただきたいと思います。↑質問項目へ

Q7. 日本は脳死からの臓器移植に関して、諸外国に遅れているということを聞きましたが本当でしょうか。

A7.まず脳死からの臓器移植がどういう行為なのか知っていただきたいと思います。それは同時に二人の患者の命を対象とし、そのうちの一人のためにもう一人の患者の命を断ち切り、個々の臓器はそれぞれ生きたまま切り取ろうとする治療法です。それは脳死の人にとって大変残酷な行為であり、医療の名による殺人と言っても過言ではありません。従来の医の倫理では考えも及ばない治療法≠ネのです。
 そのような医療のありかたは、日本の文化・宗教・哲学に照らしてみたとき、極めてなじみにくく、受け入れがたいものです。だからこそ、日本では脳死臓器移植が積極的に行われなかったと言えます。他国との比較で、遅れている、進んでいるという理解は正しいとは言えません。他国に追従するのではなく、薬による治療、また人工臓器の開発など、臓器移植によらない道をさらに研究し、日本は、日本として他の国の模範となるような医療の道をしっかりと歩むべきだと思います。
 移植を積極的に行っているアメリカでは、まるで機械の部品のように、骨1Kgが2万円、心臓弁は50万円というように人の臓器、組織(骨・皮膚・血管)が、商品として公然と売買されており、「移植産業」として成立しています。臓器移植への道を開くということは、「人体の資源化」へとつながることも意味しているのです。これは人の尊厳に関わる重大な問題と言わざるを得ません。↑質問項目へ

Q8. 現在、移植を待っている人たちがたくさんいると聞きますが、法律が施行された現在、その人たちは、みんな移植を受けることができるのでしょうか。また移植手術後の問題はないのでしょうか。

A8.臓器移植法が施行された今も、移植を待っているすべての人が臓器提供を受けることはできません。それは、臓器を受ける側(レシピエント)の数に対して臓器提供者(ドナー)の数が圧倒的に不足しているからです。それは外国でも同様です。移植医療の大きな問題の一つは、すべての人が平等に受けることができない、つまり不平等医療であることです。また術後は、程度の差はありますが、拒絶反応に苦しめられなければなりません。また、その拒絶反応を抑えるため、一生涯「免疫抑制剤」を飲み続けなければなりません。免疫を抑えるということは、その人本来の抵抗力を著しく弱め、感染症などにかかりやすくなります。またこの抑制剤も大変高価であり、費用の面からみても、だれもが受けることはできないのが、移植医療と言えます。↑質問項目へ

Q9. 救急医療現場では、今まで同様にすべての処置が行われるのでしょうか。

A9.従来の通り、人命救済のためあらゆる医療が行われるべきです。しかし、脳死からの臓器移植という新しい「死」が認められたことにより、生前本人が「臓器提供」を了解している場合、ある時点を境として、救命のための治療から、臓器保存のための処置に切り替えることになります。また、法律の上では「二つの死」が認められていますが、医療の現場では、同じ脳死状態であって、片方は生きている、もう一方は死んでいるというのはおかしい、脳死で統一すべきであるとの声もあがってきています。そうなると、医療費も問題となり、心停止まで心置きなく看取るということがしにくい雰囲気も生まれてくることも考えられます。↑質問項目へ

Q10. 重い脳の疾患に対する「低体温療法」とは、何ですか。

A10.従来なら、必ず脳死に至るような重い症状の患者の体温を低く保つことによって、脳の症状悪化を防ぐ療法です。医療の現場では、この療法により多くの人の命が救われています。これは日本で開発された療法で、世界に誇れるものです。他国でもこの療法を行っていますが、日本ほどの実績はありません。この療法が日本で生み出されたのは、脳死を死とすることへの抵抗があり医師も努力したからこそです。
 実際、医療は常に進歩・発展を遂げており、この「低体温療法」が開発されたように、将来、さらに新しい療法が開発される可能性を否定することはできません。それにもかかわらず、現時点において、法律で脳死を死と定め、人の死を早めるのは、大きな問題と言えるでしょう。↑質問項目へ

Q11. ドナーカード(臓器提供意志カード)の普及が、いろいろな形で行われていますが、これに対してはどのように対処すればいいのでしょうか。

A11.まず「脳死からの臓器移植」が持つ本質は何であるのかということをしっかりと理解していただき、カードを所持するかどうか、決めていただきたいと思います。脳死からの臓器提供を了解するということは、自らの意志で自らの命を絶つことを了解することにほかなりません。そのようなことが人間に許されるのかという根元的な問いかけをするとき、自ずとその答えも出てくるはずです。世界にたった一つしかない、自分だけに与えられた自分の体を大切にする。そのためには、「愛の行為、人助け」という一見美しい宣伝文句に絶対に乗らない、乗せない。そして「絶対にドナー(臓器提供者)にならない」ことです。特に、若い人たちは、このことをしっかりと心にとめておいていただきたいと思います。なぜなら、新鮮な臓器の提供者となるのは、若いあなたたちだからです。 ↑質問項目へ

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