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まだまだ危ない!遺伝子組み換え食品

人類愛善新聞2000年7月号から)

産業界・学界・行政が一体となってバイオ産業の育成を推進しています。私たち消費者はあくまで「遺伝子組み換え食品はいらない」と主張し、行動しましょう。そうでないと、知らないうちに、どんど食べさせられることになります。

開発企業から出された大豆、ナタネ、ジャガイモなど八品種の遺伝子組み換え作物(一つは食品添加物)について、厚生省が「安全性を確認済」としたのが四年前の平成八年九月。

その後、「安全」とされた作物や食品添加物は年々急増。平成十年暮れまでに、三十五件の申請に対して「安全宣言」が下された。それらは主にアメリカなどからの輸入作物である。

専門家の分析によれば、日本に輸入される作物のうち、遺伝子組み換えの割合は、金額ベースで割り出すとおよそ次の通り(平成十年)。

ダイズ(29%)、トウモロコシ(14%)、ワタ(21%)、ナタネ(37%)。これらは統計上の国内自給率はゼロに近い作物ばかりだから、日本国民はかなりの割合で、遺伝子組み換え作物を直接的・間接的に食べてきたことになる。

また、平成八年から十一年までの輸入量の伸び(金額ベース)は、ダイズ(40倍)、トウモロコシ(30倍)であった。まさに組み換え作物の大攻勢を受けたわけである。

しかし、消費者の拒否感は根強く、組み換え作物の食品への表示を国に求める自治体は全国で千をはるかに超えた。

こういった国民の声を無視できなくなった農水省は昨年八月、不十分ながら来年四月からの表示義務化を決めた。また、厚生省も来年春から、これまで任意だった安全性審査を企業に義務付けることを決めた。

組み換え作物締め出しの運動は日本以外でも、イギリスに端を発してヨーロッパ各国に広がった。その結果、アメリカの組み換え作物の相場を下げ、開発企業のモンサント社は栽培農家から訴えられるに至った。今年の栽培面積は大幅に減るのではないかといわれている。世界の市民運動の力が組み換え作物の増殖を抑えている。しかし、安心するのはまだまだ早い。

主食のコメも含めた多様な組み換え作物が、日本各地の政府の研究機関、多国籍企業、日本企業などの農場で、実用化に向けて試験栽培されている。

農水省の発表では今年四月現在までに、日本国内の隔離農場で栽培実験された遺伝子組み換え作物の品種・系統数は、百四十五。うち五十数種類はすでに一般農場での栽培試験が行われている。

早いものは八〇年代末から、閉鎖温室での栽培実験が行われていた。輸入が許可され消費者の間で大騒ぎになり始めた平成八年の時点では、すでに相当数の品種が栽培実験されていた。

日本の穀物自給率はわずか二十五%。カロリーベースでの食糧自給率も四十%ほどしかない。国もようやく食糧自給率の向上を打ち出したが、そこでも遺伝子組み換え作物による増産効果に期待をかけている。

消費者の反発は大きいが、この分野に膨大な投資を行ってきた側も必死だ。例えば産業界・学界・行政で構成し、バイオ事業の発展をめざす財団法人・バイオインダストリー協会(JBA)は、一貫して「遺伝子組み換えは安全性の確立された技術」との立場で主張。「政府は国民にテレビ新聞等を通じ、表示は商品選択の情報を与えるもので、安全性に対する警告ではないことを周知徹底させること」「安全性確認の法的義務化は不要」などの主旨の意見書を農水省や厚生省に提出している。

そこには消費者に強引なまでに「食べさせたい」「売りたい」という意思が見られる。今やあらゆる企業が農業、食品、医療など、多分野のバイオ事業に参入している。

何も考えずに流れに身をまかせていけば、消費者は自分の命や健康を犠牲にしてまで、企業経済に奉仕させられることになりかねない。今後も組み換え食品に「ノー」を表明し、不買行動をしよう。でないと、どんどん食べさせられることになる。(KM)


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