これから見直されようとしている「臓器移植法」の問題点について勉強します。
十五歳未満の臓器提供
一九九七年の十月十六日、日本で「臓器移植法」が施行されました。
脳死状態の体から、条件付きで臓器を取り出して、必要な人に移植することを認める―― 。臓器移植のために、人の死を法律で定め、しかも死の定義が状況によって変わるという、何とも奇妙な法律です。
この法律の施行によって今年、脳死状態の患者さんからの臓器移植が四例も行われてしまいました。
でも国では、「これではまだまだ不十分だ」「もっと臓器移植が行われなければならない」「法律の内容を変えて、制約をゆるめよう」という動きが強くなっています。
「臓器移植法」の中では、施行後三年で法律の見直しをするということになっていますが、その大きなものが、六歳未満の小児の脳死判定基準の見直しです。
小児は、成人に比べて脳の回復力が強いうえに、脳死に至った症例数の報告がすくないため、今の法律を作るときには、「確実に脳死と判定することができず、不明な点も多い」とされて、六歳未満は脳死判定から除外されました。
また、六歳以上は脳死判定は可能でも、臓器提供の意思表示が有効なのは、十五歳以上とされています。
ということで、現在の「臓器移植法ガイドライン」では、脳死からの臓器提供を十五歳以上に限っています。つまり十五歳未満の小児の臓器提供はできないことになっているのです。
でも、厚生省では「これでは臓器移植がすすまない」として、ドナーの年齢制限をゆるめる方向で、法律の改悪をすすめているのです。
家族の同意だけでいいのか?
宮下創平厚生大臣は、六歳未満の小児の脳死判定基準について、一九九九年中に策定を終え、公表するとしています。
そうなると、十五歳未満の小児もドナーの対象になることになります。
十五歳未満というと中学生以下です。その年齢で意思表示が可能かどうかという問題が出てきます。
「中学三年生にもなれば可能でしょう」という声もあるかもしれませんが、それ以下の年齢で、脳死のことをしっかりとわかり、臓器提供がどんなものなのかも理解できるかとなると、大きな疑問です。大人でもはっきりと自覚している人の方が少ないように思います。
ましてや、小学校低学年や赤ん坊となると、意思表示がはっきり出来るとは、誰も思わないことでしょう。
すると法律の中の「本人の意思表示が必要」という規定が邪魔になります。ならば、その規定をなくし、「家族の同意のみ」に切り替えてしまおう、ということになるわけです。
つまり、
__日本人全員がドナー対象者_*
で、しかも本人の意思は関係なく、
__家族の同意だけで臓器提供が行われる_*
ということになるわけです。これは、とても恐ろしいことです。
このまま改悪がすすめば、いずれは「脳死は一律人の死である」ということにもなりかねませんし、実際、厚生省の研究班の一つでは、そのような動きもあるのです。
そしてこうなると、今いろんなところで配られているあの黄色い「ドナーカード」も、3番(私は、臓器を提供しません)に○をして持っている以外、あまり意味がなくなります。
そうなった時には、大本の「ノン・ドナーカード」が大きく注目され、その意義がますます重要なものになってきます。
「臓器移植法」の恐ろしい改悪にストップをかけるためにも、今大本で行っている、「脳死臓器移植反対署名運動」や「ノン・ドナーカードやチラシの配付街頭活動」に、私たち大本青年も積極的に協力・参加しましょう。
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