これまでの脳死臓器移植での移植法違反について勉強します。
高知での第一例ではどうだっか
第一例目の脳死者からの臓器摘出が、高知赤十字病院で行われたのは、今年の二月末でした。あれから十カ月近くたち、驚くべき疑惑が浮上しています。それは、ドナーの女性は、本当は心停止後の角膜と腎臓の提供にしか同意していなかったというのです。
ところが、移植コーディネーターが、「日本で第一例目の脳死移植になるから」と、ドナーの家族を説得して、脳死下での多臓器提供に変更・同意させたというものです。
『看護学雑誌』(医学書院)という書籍の十月号、特集「はじめての脳死・臓器移植〜そのとき看護は」の中で、高知赤十字病院集中治療室の婦長が、ドナーの入院から臓器提供に至るまでの経過を記しています。
それによると、ドナーとなった女性が入院した翌日の二月二十三日朝、当直医から「あと二時間しかもたないかもしれない」と言われ、ドナーの夫がアイバンクカード、臓器提供意思表示カード(ドナーカード)を提示。「腎バンクカードは家にある」と答えています。
さらに「腎バンク登録、アイバンク登録は前からしていた。臓器提供意思表示カードは平成八年五月にテレビをみて、すぐに県腎バンク協会から送ってもらったようだ。その時にサインをした」というのです。
しかし、ドナーカードにサインした平成八年五月といえば、臓器移植法施行の一年半前で、日本臓器移植ネットワークの現在のドナーカードはまだ発行されていません。
ところが、移植ネットの前身である日本腎臓移植ネットワークが、今のドナーカードと全く同じ絵柄で、『心臓死後の腎臓提供意思の有無を記入するカード』を発行していました。女性が所持していたのは、このカードだったと思われ、「角膜と腎臓だけの同意」となるのもうなずけます。しかも、同婦長の経過報告の中に、移植ネット発行の現在のドナーカードは一切出てこないのです。
これが事実だとすると、臓器移植法が臓器提供の必須条件と定めている「書面による本人の意思表示」が全く無視されたことになります。本人は同意していなかったのに、周囲の判断で勝手に臓器を摘出された、いわば「ねつ造された第一例」だった可能性が出てくるのです。
厚生大臣に署名を提出
このことを初め、これまでの四例の脳死・臓器移植には、法令違反と思われることがいくつもあります(誌面の都合で全部は紹介できませんので、詳しくは「人類愛善新聞」一九九九年十二月号を読んで下さい)。
現在の移植法ですら守られないような状態の中で、厚生省は、家族の同意だけで十五歳未満の子どもからも臓器が摘出できるようにしようとしています。
何度も繰り返してきましたが、「脳死臓器移植」は「合法的殺人」です。
大本では、この「脳死・臓器移植」に反対するために 一九九九年の五月から署名活動を行ってきました。この街頭署名活動には、教主さまも二回、自ら街頭にお立ちになり、活動なさいました。
そして、一九九九年十一月の大本開祖大祭には、三十六万六十三人の署名が集まりました。
その後、本部に寄せられた署名も増え、十一月二十六日には、四十一万四千五百六十七人分の署名を(中間集計として)、奧田宗弘大本本部長が代表して、厚生省で厚生大臣あてに提出しました。これはとても意義のあることです。
これからもまだまだ署名活動は続きます。みなさんもこれから積極的にこの活動に参加しましょう。
さて、長い間ともに勉強してきましたこのコーナーも今回で一応終わらせていただきます。でも、この問題はこれからもしっかり取り組んでいかなくてはならない大切な課題です。
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