厚生大臣 宮下 創平 殿
臓器の移植に関する法律制定時には、次のような付帯決議が採択されている。
「臓器摘出に係る法第6条第2項の判定については、脳低体温療法を含めあらゆる医療を施した後に行われるものであって、判定が臓器確保のために安易に行われるとの不信を生じないよう、医療不信の解消及び医療倫理の確立に努めること。」
従って厚生省には、今回高知赤十字病院で2月28日脳死から臓器を摘出され、結果死亡させられた女性患者につき、病院が救命治療を施したのかどうか調査・検証し、情報開示する義務があると考える。
私たちは、臓器移植が優先され救命がおろそかにされ、患者の救命治療を受ける権利が侵害されていると考え、この一連の行為を容認・指導してきた厚生省に強く抗議し、以下につき質問する。
今回の高知赤十字病院の一連の行為は、多くの人に不信を抱かせた。早すざると断ぜざるを得ない脳死宣告、臨床的脳死診断時に脳波が平坦でない状況において無呼吸テストを実施したという暴挙、そして何よりもおろそかにされた救命治療。これらは全て昨年6月厚生省が臓器提供病院を一挙にかつ一方的に拡大した結果であり、その責任は重大である。加えて、2月26日以降は一変して患者のプライバシー保護を理由に、脳死判定や臓器摘出に係る事実を非公開とすることを指導した。これは国民の「知る権利」の侵害であり、報道統制にもつながりかねない。
ドナー患者の治療の保障、更には国民にとっての開かれた医療の保障に関して、厚生省の責任の所在を示せ。
なお、本公開質問状に対しては、下記「脳死」臓器移植による人権侵害監視委員会・東京の事務局宛、文書によりご回答されたい。
平成11年3月4日
「脳死」臓器移植による人権侵害監視委員会・東京 代 表 綱 川 英 治
事務局/〒104-0061 東京都中央区銀座1-4-3 第6工業ビル2階
有楽橋法律事務所内 TEL03(3561)7660番
「脳死」臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪 代 表 岡 本 隆 吉
事務局/〒530-0047 大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル2階
冠木克彦法律事務所内 TEL06(6315)1517番
脳死・臓器移植を考える委員会 代表 阿 部 知 子
同 松 本 文 六
医療を考える会 代表 山 本 歩
全国交通事故遺族の会 会長 井 手 渉
日本消費者連盟 運営委員長 富 山 洋 子
宗教法人「大本」 代表役員 植 村 彰
脳死・臓器移植に反対する関西市民の会 代表 岡 本 隆 吉
ナゴヤNO脳死 代表 五 島 幸 明