敬愛いたします大本信徒の皆さま
大きな喜びと感激の思いをもって、本日、ごあいさつ申し上げます。と申しますのも、私は日ごろ、皆さまの日本の国からもっとも遠いブラジルに住んでおり、自分の目で日本を見てみたいという夢は、そう簡単に実現し得ないと思っていたからです。
ここで、少し自己紹介をさせていただきますと、私の名前はイルデッチ・バルボーサ・デ・アキノと申します。周囲の人は、短くイルデッチと呼んでいます。現在、19歳で高等学校を卒業しました。帰国後は、生物学を勉強するために大学に進学したいと考えています。
私は貧しい家庭に生まれました。両親は9人の子供をもうけましたが、残念なことに、父は私が4歳の時にこの世を去りました。それ以来、私は「ボーナ・エスペーロ」(良い希望)と呼ばれる農園の学校で兄弟たちと生活をしてきました。
ボーナ・エスペーロはブラジルの中心部に位置していて、海抜1200メートルの熱帯性気候の地にあります。そこから250キロメートル北部に、ブラジルの首都・ブラジリアが在り、前田茂樹所長の指導の下、大本インテルナツィーアの活動が行われています。
ボーナ・エスペーロでは、日常的にエスペラントを母国語のように耳にしてます。現在、ボーナ・エスペーロには世界各地からボランティアが集い、エスペラントを共通の言葉として使いながら、連携して家族のいない子供たちのお世話をしてくださっています。これまで私は、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、中国、日本、オーストラリアの方々とお話しする機会に恵まれました。
そうした海外のヴォランティアの皆さんと交流する中で、私は後にエスペラントの本や文法書を読み始めましたが、私はエスペラントの教師でもインテリでもない、単なる一女学生です。

私にとって多くの民族語を学ぶことは難しいことですので、世界の人々の間の連携を促し、兄弟姉妹のように親しく、そして、中立公平である言語の普及を目指しているエスペラントの思想が大好きです。
大本は国際的にも名高い「エスペラント国」ですので、きっと長年月にわたって、多数のエスペランチストの皆さん、それも秀でたエスペランチストらが世界各地から訪問されたことだろうと想像しています。私自身、ささやなエスペラントの語学能力しか持ち合わせていませんことを恥ずかしく思います。
しかし、エスペラントの創始者・ルドビッコ・ラザロ・ザメンホフ博士の思想、とりわけ「ホマラニスモ」(人類人主義)というエスペラントの内的思想と、ザメンホフ博士が世界の人々の間の相互理解を深めるために、生涯を捧げられましたことを大変に尊敬しています。
私にとりましてエスペラントは、天からの贈り物です。なぜならば、エスペラントのおかげにより、本日、4月の天恩郷月次祭に参拝させていただくという、私の夢が現実のものとなったからです。
ここで、決して忘れることのできない思い出について、お話しさせていただきます。それは出口紅大本教主さまが、私どもの「ボーナ・エスペーロ」を2004年12月に、お供の方々とご一緒にご訪問くださいました。その前後に、田中雅道国際部長と他の方が1週間滞在され、私たち学生に日本の伝統文化の書道と茶道の手ほどきをしてくださいました。
その折に、私は初めて茶道を学び、お点前の稽古をしましたが、教主さまのお誕生日の12月15日の佳き日に、教主さまへ一服の茶をお点して、差し上げるという大きな名誉と喜びを味わいました。その時の感激は、決して忘れることができません。
以来、私は大本を訪ね、教主さまのもとで、エスペラント講師の方々のアシスタントとしてボランティア活動をしながら、日本の伝統文化を引き続き学ばせていただきたいと思うようになりました。
大本に来る前に、大本について記された書物を数冊読み、人類愛善思想や世界平和招来のための、大本の高貴なみ教えについて学ばせていただきました。ボーナ・エスペーロでも、大本で長年にわたり高く掲げられ、実践されていますみ教えと共通した理念の実践が行われています。ですから、私は大本のみ教えと同様に、大本の皆さま方が世界平和樹立のために日ごろから実践されている活動に、強く共感しています。
それ以外にも、大本教祖・出口なお開祖さま、出口王仁三郎聖師さまのご生涯やみ教え、そして、歴代教主・教主補さま方のご生涯やみ教えについても、大きな関心をもって読ませていただきました。
一方で、大本では男性と比較してより平和的で、より直感的である女性の特性に一目置かれていることをお聞きしして、ひとりの女性の立場から幸せに思いました。と言いますのも、ブラジルでは今だに、さまざまな分野で差別を受けることが少なくありません。その意味で、ブラジルでのこうした社会問題と関連づけながら、女性としての側面から日本の伝統文化を体験的に学ばせていただくことに、強い興味を覚えています。
敬愛します大本の皆さまから、両聖地で3カ月月間にわたり、様々なことを学ばせていただくことは、誠に有り難く存じます。その一方で、多大なご迷惑をお掛けするのではないか、多くの方々の忍耐心を求めることになるのではないかと、今から大いに心配をしております。つきましては、皆さまのご家族の一員として、よろしくご指導いただけますようにお願い申し上げます。
ご静聴、誠に有り難うございました。
(2007年4月1日[日]天恩郷月次祭祭典後の講話)