十曜の紋WEB用2.psd宗教法人大本headnametype.png

I トップページ I グローバル I お問合せ I
印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |


教団声明

                              平成27年12月24日

テロの温床の改善と、
報復攻撃によらない平和への道の探求を

〜パリ同時多発テロを受けて〜

(宗)大 本 本部長      
人類愛善会 会 長 浅田 秋彦


 問題を解決しない報復攻撃
 フランス・パリ市内で2015(平成27)年11月13日夜間(日本時間11月14日早朝)に勃発した同時多発テロと、その後も各地で相次いでいるテロの惨劇に際し、犠牲者およびご遺族に対して心より哀悼の意を表するとともに、犠牲になられた方々が神のみ救いと、天界でのみ幸はいを受けられますよう、そして心身の傷を負われた方々が一日も早く回復されますことを、私たちは日々、お祈りしています。
 テロリズムは生命の尊厳を冒す非人道的行為であり、いかなる理由があったとしても、けっして許されるものではありません。
 その一方で、フランス軍をはじめとする欧米やロシアの各国軍が「自衛権」の行使として、「イスラム国」(IS)の軍事拠点等を目標にした報復攻撃を行っていることに対しては、憂慮の念をいだくものです。報復攻撃はただちに中止されなければなりません。
軍事力による報復攻撃は罪のない民間人を巻きこみ、怨念を深めて敵愾心(てきがいしん)をあおり、争いをさらにエスカレートさせるものです。
 振り返ると14年前の21世紀初頭、2001(平成13)年9月11日の米国同時多発テロに端を発した「21世紀の対テロ戦争」は、その後「報復の連鎖」をもたらし、テロの抑止どころか、かえってテロを拡散するという最悪の状況を招きました。
 テロの解決は、戦闘的復讐心にもとづく軍事力の行使によってではなく、国際刑事裁判所などの公正・公平な国際的司法当局による厳正な裁きによって解決がはかられることが第一です。

 テロの温床の改善が急務
 テロ行為は、平和を望むイスラム本来の信仰とは相いれないものであり、それによってイスラム信仰そのものを否定したり排除したりすることがあってはなりません。
 そもそも、テロの背景には、大国間の対立、宗教・宗派間の対立もさることながら、貧困や差別・抑圧といったテロを生む温床があり、そうした環境的要因を一刻も早く取り除く国際的連携こそ急務であります。
 
「世界連邦」実現の探究にこそ活路がある
 大本の教祖・出口王仁三郎聖師は、大正14年6月9日、人種、国家、宗教等あらゆる障壁を超越して人類愛善(人群万類愛善)の大義にめざめ、地上永遠の光明世界を建設することを目的として、「人類愛善会」を創立しました。
 そして、「軍備なり戦いは、みな地主と資本主とのためにこそあるべけれ。貧しきものには、限りなき苦しみの基(もとい)となるものなり」(「道の栞」)
「世の中に戦争くらい悪しきものはなく、軍備くらいつまらぬものはなし」(同上)
「世界幾千万人の若き者は、絶えず兵役に服し、人殺しの業(わざ)ばかり稽古をなさざるべからず。人殺し大悪の稽古にかかりて、多くの者は常に艱難(かんなん)苦労をなさざるべからず。四方(よも)の国、軍備ほどつまらぬものはあらざるべし」(同上)
と諭して、真の宗教者が戦争に対してとるべき態度を示し、戦争・軍備へのこの強い否定こそ、平和を樹立する第一歩であると教えました。
 軍事力が前面に出る限り争乱の絶えることはなく、平和を招来することは永久に望まれないという事実を、現代史に顧みて、私たちは冷静に直視しなければなりません。さらにいえば、戦争を抑止し、世界を平和へと導く方法は、もはや「世界連邦」実現への道を探究するよりほかにはないと考えます。
 70年前、日本では約310万人、世界では約8千万人もの尊い命が失われた人類史上最大の戦争・第二次世界大戦が終結したとき、世界中の人々は二度とこのような悲劇を繰り返してはならないと誓いました。
 その終戦当時、世界を代表する科学者たちが、人類の破滅的危機を回避するために描いた「世界連邦」という未来構想、すなわち、―― 国家主権の一部委譲による世界連邦政府と世界議会の創設、世界裁判所の設置、各国の軍備全廃と世界連邦警察軍による安全保障の確立 ―― は、終戦から70年を経た今日、けっして理想論ではなく、今こそ人類が生き残るための現実的な構想になりました。
 飢餓、貧困、疾病、差別、難民、紛争・戦争、さらには地球温暖化による異常気象と自然災害の頻発等の問題は、いずれも国境を越えており、旧来のように各国がそれぞれの国の利益(国益)を主張してばかりいては、けっして解決しません。
 戦争や暴力の連鎖を断ち切り、大国の国益に左右されない、世界法に基づく新しい世界秩序、すなわち世界連邦的平和の枠組みの強化に向かって、国連のあり方を見直すことは、各国が負うべき責務であり、同時に、あらゆる地域の民衆にとっても切実な願いであるといえましょう。

 日本と日本人のミッション(使命)
 戦後の日本は、過去の歴史を省み、二度と戦争の悲劇を繰り返さないとの決意から、「戦争放棄」と、国際紛争を解決する手段としての「武力行使」は永久に行わないことを誓った平和精神にもとづく憲法を制定しました。
 この日本国憲法の平和主義は、世界唯一の被爆国として、不戦の決意が込められた、敗戦国日本から世界に発信された平和へのメッセージです。私たち日本人はこの平和精神を守り、同時に、広く世界に向かってこの平和精神を伝えなければなりません。
 テロの脅威がいずれの国においても現実味を帯(お)びている今こそ、日本国政府は、平成17(2005)年の終戦60年国会(衆議院)で決議したとおり「世界連邦」実現への道を探究し、国際紛争を解決するための揺るぎない未来ビジョンを持つ必要があります。

「万教同根」の理念で“宗際化”を拡大
 出口王仁三郎聖師は、「すべての宗教の根源は一つの神であり、万教は同根である」
「神とともに生き、 働き、楽しむ愛善世界の実現は、人類の使命である」と説きました。世界の宗教者は「万教同根」の理念に立って、宗教教義や儀式作法の差異を超え、相互に相手の立場を尊重し、理解を深め、聖なる祈りを共有して、宗教間の垣根を取りはらう“宗際化”の流れをさらに拡大していかなければなりません。
 私たち日本の宗教者は、世界唯一の原爆被災国に生を享(う)けた宗教者の使命として、諸宗教間の対話と連帯をさらに進め、「人群万類愛善」の精神で、生きとし生けるすべての生命(いのち)が輝く恒久平和(みろくの世)実現に向かって、共に手を携え、世界に貢献することを誓い合い、実践したく思います。

prev.pngprev.png

next.pngnext.png