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HOME > 教え > 暁の大地・もくじ > 第3回・大元霊の霊力体



 松太郎は、テーブルに置いた携帯電話を再び手にとり、説明を始めた。

「このケイタイの端末自体は、いろんな部品から出来ているだろ」

「そうだね、たくさんのパーツから組み立てられているよね」

「そう。たくさんの部品が集まってこの形が成り立っている。つまり〝体〟をなしているんだ。今は、ケイタイ自体で写真が撮れたり、電卓になったり、辞書にもなる。便利なもんだなあ」

「ホント、便利だね」

「でも、ケイタイは本来、何が目的で作られたのかなあ?」

「そりゃあもちろん、電話をするためでしょう」

「そうだなあ」

「もっとも今は、メールも大切な機能だけどね」

「そうらしいなあ。ところで大地、電話もメールもこの端末だけでできるのかな?」

 大地は首をかしげながら答えた。

「おじいちゃんのケイタイは、ご年配用の簡単携帯のようだけど、それでも出来るんじゃない?」

「いやいや、そういう意味じゃなくて、ほかに必要なものはないか、ということだよ」

成尾カット(携帯).jpg


 大地は、松太郎が何のことを言っているのか一瞬わからず、キョトンとしていたが、すぐに気づき、返答した。

「あ、電波ね。でも、おじいちゃん、電波があってこそのケイタイだから、それは当たり前のことだよ」

「そうか、当たり前かなあ? でも、山間部の谷間なんか場所によっては、通じないところもあるんじゃないか?」

「まあ、確かにビルの中なんかでも、圏外になるところもあるよね。トンネルの中で、電話が切れることもあるしね」

「そうだなあ、だからケイタイは、目に見えない電波があってこそ、はじめてその用をなす、つまり〝力〟を発揮するんだよ」

 大地は、小さく2回うなずいた。

「なるほど、そうすると目に見えない電波が〝霊〟で、ケイタイ自体が〝体〟、そして、電話やメールが出来ることが〝力〟、ということだね」

「そうだ。そのどれ一つ欠けてもダメで、3つそろってはじめて携帯電話としての役割を果たすことが出来るわけだ。同じように、この世の中では、霊・体・力、その3つがそろうことが大切なんだよ」

 大地は、「ン〜、なるほど」と、うなずいた。




 大地の表情を見て、松太郎はもう少し、霊・力・体のことを伝えようと話を続けた。そして、ご神前から『おほもとのりと』を持って来るように大地に頼んだ。大地は、「はい」と答えて、ご神前の案に置かれた『おほもとのりと』を持ってリビングに戻ってきた。

「これだよね」

「そう。大地、その中の『感謝祈願詞(みやびのことば)』というところを開いてみなさい」

 大地は、『おほもとのりと』をめくった。

「あ、あった、これだね」

「その『感謝祈願詞(みやびのことば)』は、感謝(かんしゃ)と祈願(きがん)の詞(ことば)と書いて、『みやびのことば』と読ませているなあ」

「そうだね」

「文字通り、その『のりと』は、神さまに対する感謝の節と祈願の節が、みやび、つまり美しい詞でつづられているんだよ」

「そうなんだ。ところでおじいちゃん、これは昔からある『のりと』なの?」

「実は、明治41年ごろ、聖師さまが発表された大本独特の『のりと』でなあ、元文は今の倍くらいの長さなんだよ」

「え〜、これでも十分長いと思ったのに、まだ倍もあったの?」

 松太郎は、ご神前の間のご神書が並べられた本棚に目をやった。

「元文の『感謝祈願詞』は、あの『霊界物語』第60巻の第16章に書いてあるんだが、最初の祈願の節がもっと長いんだよ」

「へえ〜、またあとで見てみよう」

「まあ、それはいいとして、この『感謝祈願詞』は現在、本部でも各家庭でも朝拝の時に奏上することになっている。それから本部や各機関では、大祭の時に奏上してるんだ」

「そういえば、夕べの節分大祭の時にも奏上したね」

「そうだったな。大地、『感謝祈願詞』の最初の2行を読んでごらん」

 大地は、手にした『おほもとのりと』に目をむけ、言葉を確かめるように、ゆっくりと声に出して読みはじめた。

「至大天球(たかあまはら)の司宰(つかさ)にましまして、一霊四魂(ひと)、八力(ふた)、三元(み)、世(よ)、出(いつ)、燃(むゆ)、地成(なな)、弥(や)、凝(ここの)、足(たり)、諸(もも)、血(ち)、夜出(よろづ)の大元霊(もとつみたま)

 大地が読み終えると、松太郎は少し間を置いて言った。

「実は、この2行は、宇宙の成り立ちを示してあるんだよ。そして、2行の最後が『大元霊』とあるだろう」

「あ、ホントだ。『もとつみたま』とルビがふってあるけど、『大元霊』だね。確か、一点のゝ(ほち)から10億年たって現れた霊物を宇宙の『大元霊』といって、それは〝天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)〟のことだったよね」

「その通り。そして、ひと、ふた、み、よ…というのは、〝天の数歌(あまのかずうた)〟というんだが、それが宇宙の成り立ちを示し、聖師さまはそれに漢字を当てておられる。その最初の、『ひと、ふた、み』に『一霊四魂、八力、三元』と漢字を当ててあるが、それが『霊、力、体』のことなんだよ」

「ふう〜ん、なんだか深く説明してもらうと、すごく時間がかかりそうだね」

「まあな。でもちょっとだけ解説しようかな」

「はい、お願いします」

 大地は身を乗り出した。




 松太郎は、『感謝祈願詞(みやびのことば)』の最初の部分を指差し、言葉を継いだ。

「大元霊の霊が〝一霊四魂〟ということなんだが、その一と四の数字をとるとどうなる?」

「あ、霊魂になるね」

「そうだな。だから逆にいうと、霊魂というのは、〝一霊四魂〟を略した言い方ということにもなるんだ。本来、霊魂には直霊という一霊に、荒魂(あらみたま)、和魂(にぎみたま)、幸魂(さちみたま)、奇魂(くしみたま)という四つの魂の働きがあるということになる。そして、それぞれに特徴があるんだ」

「複雑なんだね」

「神さまの霊だけが、〝一霊四魂〟じゃなくて、実は神さまご自身の〝一霊四魂〟を、われわれ人間にも分け与えておられる。だから、大本では、人は神の分霊であり、神の子、神の宮といい、とても有り難い存在だと教えられているんだ」

「なるほど。それじゃあ、次の〝八力〟も、力が八つあるということなの」

「そう、よく察しがついたな。実は〝八力(ふた)〟の〝ふ〟は進み行くとか、沸騰(ふっとう)するという意味があって、〝た〟は対象力という意味があるんだ。だから対照的な二つの力がペアで四組あって、合わせて八つあるということだ」

「へえ〜、おもしろいねぇ」

「 動(どう)と静(せい)、動く力と静まる力。
 解(かい)と凝(ぎょう)、解く力と凝(こ)り固まる力。
 引(いん)と弛(ち)、引く力と弛(ゆる)む力。
 合(ごう)と分(ぶん)、合わさる力と分かれる力。
 この対照的な四組の力が八力(はちりき)と言われ、大元霊の力ということになるんだ」

「確かに理にかなった組み合わせだね」

 松太郎は続けて〝体〟を説明した。

「そして、〝三元(み)〟。みは果実の〝実(み)〟とか、わが身の〝身〟、つまり体という意味で、その状態によって三つに分けられるんだ」

「今度は三つですか?」

「そう、剛(ごう)・柔(じゅう)・流(りゅう)という三つだ」

「剛、柔、流?」

「物体はその状態、様子で大きく三つに分けられるんだ。
 剛というのが固まった状態で剛体。
 柔というのがやわらかい状態で柔体。
 そして、流というのが、液状の流体ということになる。流れる水も、温度によってシャーベット状のやわらかい状態になったり、氷に固まることもあるだろ」

「そうだね」

「この地球上の物体も、剛・柔・流の三様に分けられるんだ。剛は鉱物の本質、柔は植物の本質、流は動物の本質と示されているだよ」

「へえ~、そうなのか」

「この大元霊の『霊、力、体』は、今の世の中でもすべて当てはまることで、普遍的な真理なんだよ」

「なんだかすごいね」

「さっき、〝一霊四魂〟が神さまから分け与えられていると言ったが、実は八力の〝力〟と三元の〝体もみな、神さまから分け与えられているんだ。だから、私たちが頂いているのを、分霊、分力、分体と言い、神さまの霊力体を、本霊、本力、本体とも言うんだ」

「そのことも『感謝祈願詞(みやびのことば)』に書いてあるの?」

「書いてあるとも。その6行目の『各自至粋至醇之魂力体(おのもおのもきよきみたま)を賦与(さづけ)たまひ』というのがそうだよ。この一節は、『各自に本当に醇(純)粋な魂(霊)力体を授けられている』という意味だからね」

「そうか! この今の世界も、僕たちにも、大元霊(もとつみたま)の『霊、力、体』の働きがずっと続いているということなんだね。なんだか壮大なロマンだなあ〜」

 大地は松太郎の説明を感心しながら聞いていた。

「で、おじいちゃん、一点のゝ(ほち)から30億年たった後はどうなったの」

「それからなあ……」

 松太郎が話を続けようとした時、台所の方から、大地の祖母・ともの声がした。

「そろそろお昼にしますよ」

「お、そんな時間か? すっかり話に夢中になってしまっていたなあ」

「おじいさん、その前に、畑から大根を採ってきてもらえませんか?」、ともが言った。

「よし、わかった」

 席を立とうとした松太郎に大地が声をかけた。

「おじいちゃん、ぼくも手伝うよ」

「そうか、じゃあいっしょに行くか」

 勝手口から外に出た2人は、裏の畑へ向かった。少し肌寒かったが、立春のおだやかな日差しがあたりに降り注いでいた。

「気持ちいいねえ」

 大地は両手を広げ、大きく深呼吸した。



(つづく)

第4回「天と地のはじめ」は
次週11月25日〔金〕に公開します

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この連載は、大本の教えをドラマ風に書き下ろしたもので、
登場人物は実在の人物ではありません。













































































▼次回更新予定

脚本担当:成尾 陽のプロフィールはこちら

成尾 陽(大本メディア愛善宣教課長)

なるお あきら:昭和34年熊本県生まれ成尾総務2.jpg
昭和55年、大本梅松塾を経て大本本部に奉職
特派宣伝使、大本青年部長などを歴任
ITVA-日本(国際企業映像協会)関西支部長
亀岡市立つつじヶ丘小学校PTA会長など(平成16年度)もつとめる。
現在、大本愛善宣教部メディア愛善宣教課長

イラスト担当:にしじまさとしのプロフィールはこちら

西島 里司(特派宣伝使)

にしじま さとし:昭和36年兵庫県生まれnishijima.jpg
平成2年、大本梅松塾を経て大本本部に奉職
特派宣伝使、編集部長、大本愛善宣教部メディア愛善宣教課
を経て、現在、特派宣伝使。